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WordPressでは、ネットショップ用プラグインを利用するとECサイトを作ることが出来ます。
WordPressで作ったホームページ・ブログサイトの中にECサイト機能もつけることができれば一見とても便利なように見えますがセキュリティリスクや保守管理面などで注意点もあります。
初心者の方におすすめのパターンはWordPressとASPの併用です。たとえば、「Shopify」や「BASE」「カラーミー」などのASPでショップ部分のシステムを作っておき、ホームページやブログはWordPressを利用することでセキュリティのリスクの軽減とコンテンツマーケティングを実現することが出来ます。
今回は、WordPress初心者の方向けにWordPressでECサイトを構築するメリットとデメリットについてご紹介します。
[st_toc]WordPressでECサイトを作成するメリット とデメリット
WordPress でECサイトを構築するメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
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まずは、メリットから見ていきましょう。
WordPressでECサイトを作成するメリット
メリット1 多くのテーマやプラグインがあり、操作も簡単
1つ目のメリットは、WordPressの特徴である多くのテーマやプラグインがあり、操作も簡単という点です。
WordPressは、HTMLやCSSなどの知識がなくても、簡単に記事の投稿や商品ページの作成ができます。わからないことが出てきたとしても、使い方はWeb上を検索すれば解決することが多いです。
また、デザインテーマと機能拡張のプラグインが豊富で、色々なデザイン・機能を選択・組み合わせることが出来ます。
特別なスキルがなくてもテーマを利用することできれいなデザインのECサイトを作成することができますし、プラグインにより、SEO対策、お問い合わせフォーム、バックアップなどの機能拡張が可能です。
メリット2 販売手数料や月額固定費などの費用がかからない
2つ目のメリットは、 販売手数料や月額固定費などの費用がかからないという点です。
WordPressの無料のプラグインでECサイトを構築すれば、 ASPのように販売手数料や月額固定費などの費用がかかりません。
特に販売手数料は売上金額に応じて増えていきますので、ある程度の売上規模になるとWordPressのほうが利益が高くなることが見込まれます。
※ただし、クレジット決済の導入にあたって、高スペックなサーバーを選定する必要があります。この点はのちほどデメリットでお伝えします。
メリット3 ホームページ・ブログを利用しての集客に優れている
3つ目のメリットは、ホームページ・ブログを利用しての集客ができるという点です。
ASPなどのネットショップサービスは、一般的にネットショップ機能は豊富ですがホームページ作成機能やブログ機能は弱い部分も多いのがデメリットです。
WordPressを利用することでホームページ(ブログ)作成機能に優れているので、ネットショップ機能だけではなく、ホームページ・ブログを利用しての集客に優れています。
Googleのスパム対策チームのリーダーで、SEOの専門家でもあるマット・カッツ(Matt Cutts)さんが、WordCamp San Francisco 2009で以下のように述べています。
WordPress is a great choice
WordPress takes care of 80-90% of (the mechanics of) Search Engine Optimization (SEO)
ワードプレスを利用するのは、非常にいい選択です。
ワードプレスはSEO(サーチエンジン最適化)の80~90%に対処してくれるからです。
参照先:
https://sf.wordcamp.org/2009/
WordPressは自由度が高いので、Googleが推奨するサイト構造や内部リンク構造を容易に実現することができ、コンテンツマーケティングによるユーザーの集客をしやすいというメリットがあります。
ECサイト用プラグイン
WordPressでECサイト構築用のプラグインもいくつかありますが、有名なプラグインにWelcartというプラグインがあります。
Welcartは日本初のWordPress専用のショッピングカートで、国内ECプラグインシェア No.1の実績を誇ります。
日本製のプラグインで、決済手段や配送方法は日本仕様になっているので、外国のプラグインと比較して利用しやすくなっています。
ここからは、WordPressでECサイトを作成するデメリットも紹介していきます。
WordPressでECサイトを作成するデメリット
デメリット1 セキュリティのリスクがつきまとう
WordPress内にECサイトを構築することの大きなデメリットとして、セキュリティリスクがつきまとう事が挙げられます。
WordPressはオープンソース(※)で、利用ユーザー数も多いため、不正アクセス・Webサイトの改ざん・情報漏えいなど、悪意のある攻撃者に狙われやすいのが現状でもあります。
WordPressをECサイト化すると顧客情報を扱うことにもなるため、情報漏えいが起きたときのリスクが大きくなります。そのため、ソフトウェアのバージョンアップをはじめセキュリティ管理をより厳格にする必要があります。
(※)WordPressはインターネット上にソースコードも公開されている無料ソフトウェアです。
2017年に大規模なWordPressの改ざん被害があり、その数は150万件超になりました。
WordPressサイトの改ざん被害は150万件超に 「最悪級の脆弱性」 | IT Media
デメリット2 トラブル対応・バックアップなどの保守管理をよりしっかり行う必要がある
WordPressは比較的初心者でもホームページやブログは比較的簡単に作成できることがメリットですが、構築後の運用の中で起こり得るトラブル対応やバックアップ復元はより専門的な知識が必要になります。
WordPressでECサイト化する場合には、顧客の購買データなどを扱うようになりよりサイトの重要性が大きくなるため、トラブル対応をはじめ保守管理をよりしっかりとしておく必要があります。
デメリット3 クレジットカード決済導入にあたり、高スペックなサーバーが必要
通常のホームページやブログであれば500円くらいの格安レンタルサーバーでも十分であることが多いですが、クレジットカード決済を導入する場合、より高スペックなサーバーが一般的に必要になります。
低価格なサーバーは、処理可能な同時アクセスの制限が大きく、クレジット決済が正常に実施できなくなる可能性も出てきます。
先程ご紹介したWelcartも、目安としては最低月額2,000円以上のサーバーをおすすめしています。
クレジットカード決済を導入する場合、決済サービスの種類ごとに気を付けなくてはいけないことがありますが、どの決済サービスにも共通して言えることはサーバースペックです。 スペックの低いサーバーでは、ほとんど必ずと言っていいほど、早い段階で不具合が発生し始めます。
この不具合とは、クレジット決済は行われているのに、注文データが記録されないという事です。 この状態を放置すると、お客様から代金だけをいただいて、商品を送らないという事態になり、ショップとしては信用問題につながります。
これは、そのサーバーが処理できる同時アクセス数が極端に少ないために、決済システムから送られてくるリクエストを、Welcartが処理できなくなってタイムオーバーしてしまうことによって発生します。 もちろん、こう言った症状は、高スペックなサーバーでもアクセスが増えてくると起こり得ます。 大事なのはスペックに余裕のある状態を保つという事です。
クレジット決済を行う場合のサーバーの注意事項 | ECサイト for WordPress Welcart.com より引用
このため、以下、ショップの売上規模によっては、外部のECサービス(ASP)+ホームページブログ機能のみ格安レンタルサーバーで構築するほうが結果的に割安になったり、手間がかからなかったりするケースもあります。
おすすめ構成:WordPress自社サイト+ショップ機能のみ外部のECサービス
ここまで、WordPressでECサイトを構築することのメリットデメリットを見てきましたが、おすすめしたいのは「自社サイト+ショップ機能のみ外部のECサービスを利用」という選択肢です。
「WordPressで自社サイト・自社メディア」を作りつつ、ネットショップ機能を「shopifyやBASEなどのASP」に切り分けることで、それぞれのデメリットを補い、メリットを活かすことができるようになります。
ASPのセキュリティ対策
ショップ機能を提供しているECサイトは、一般的に専任の技術スタッフがプラットフォームのセキュリティ対策などに取り組んでいます。
例えば、世界シェアNo.1のネットショップ作成プラットフォーム「shopify」は、下記のようなセキュリティ対策に取り組んでいます。
・クレジットカード情報を安全に取り扱うために定められたクレジットカード業界における世界基準であるPCI DSSでレベル1を取得
・スタッフのログインの際に2段階認証を必須にする機能や、スタッフアカウントの管理画面の機能へのアクセス権の制限、あるいはスタッフのログイン履歴を確認する機能を搭載
・Shopifyでセキュリティ上の欠陥やバグを発見した場合にも、全世界のホワイトハッカーがこちらも24時間体制でHackerOneのページで報告、復旧作業に従事
参照先:https://www.shopify.jp/blog/security-shopify
上記のような施策は、セキュリティに長けた専門スキルのある人でないと実施運用することは出来ませんが、ASPを利用することで、ECサイトの安全性を大幅に向上することが可能です( リスクの軽減)。
万一プラットフォーム側が原因でなにか事故が起きても、原因究明や対策立案などはASPが基本的に行うため、万一の場合のリスク転嫁にもなります(WordPressで自己構築の場合、すべて自分で原因究明と対策立案が必要になります)。
また、アクセス数を気にしてサーバーの選定・拡張も基本的に気にしなくて良いので、初心者でも安心して運営できると思います。
自社サイトの集客はWordPressを活用
ネットショップサービスの欠点として、WordPressと比較するとホームページや自社ブログ機能が弱いことが挙げられます。
そこで、商品の購入ページとは別に集客用のコンテンツページをWordPressの自社サイト(ブログやホームページ)で作成していきます。ユーザーの役に立つ情報を発信することで、検索の上位に表示され、購入につながる好循環につながります。
その際、SEO対策を施した検索エンジンからの集客(コンテンツマーケティング)を意識することで、良質な情報発信が可能となります。
まとめ
まとめでです。今回は、WordPressでECサイトを構築することのメリットとデメリットをお伝えしました。
結論としては、WordPressの自社サイトで集客を実施し、ASPのECサイトでお買い物ページを作成するのが、おすすめです(※注)。
比較的初心者で専門的なセキュリティ・サーバー・ネットワークの知識がなくても、安全に買い物しやすいECサイトを構築することが可能です。
(※注)なお補足になりますが、本記事はWordPressでECサイト構築が良くないという趣旨ではありませんのでご了承ください。WordPressでECサイトを構築している事例も、上手く行っている例も多くあります。大事なのは、メリット・デメリットを把握した上で自分・自社にあったやり方を選ぶことだと思います。
今回は以上になります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。